こんにちは!
香港の橘拓也(たちばな たくや@TMax2525)です。
海外に暮らす上でその国や都市の医療事情は把握しておくべきです。
病気や事故にあってから慌てることがないように、事前によく調べておきましょう。
そんな私も、最近、年齢的に将来自分が病気になった時のことが気になり始めたので、香港の医療事情、日本の医療制度とどのような違いがあるのか調べてみました。
暮らす場所が変われば制度も随分と違います。
香港の場合は「自分の身は自分の身で守る」、という考えが根本にあり、歴史的背景からくる成り立ちに違いがあります。
今回は香港の医療事情を日本の医療制度との対比も交えて、お話したいと思います。
重病保険とは
重病保険、という保険をきいたことがありますか?
私も日本にいた時は知らなかったのですが、香港や海外ではCI(Critical Illnessクリティカル・イルネス)のカテゴリーの保険として知られている保険です。
特徴や保障内容も日本にはない保険のタイプです。
簡単に言うと、特定の病気の診断を受けたら保険会社から一括で保険金を貰えます。
例えば、がん、と診断されたら加入しているプランに応じて一括でお金がもらえます。
プランや病気の程度にもよりますが、数千万円が一括で保険金として支払われます。
例えば、受取ったお金は何にでも使えます、治療費、先進医療、ベッド代、食費、交通費、生活費、家賃、ローン、家族の生活費など。。。
日本は公的医療制度が発達していますが、海外では公的医療制度がない国があります。
したがい、民間の医療保険や重病保険に加入する場合が多い傾向にあり、結果的に優れた商品が発達し、保障内容が充実しているのが特徴です。
香港は公的医療制度がない
そもそも、香港には日本のような健康保険制度がありません。
「自分の身は自分で守る」という考えが根本にあった為、公的医療制度が発達しませんでした。
香港投資に詳しい方はぴんときたかもしれませんが、香港の税制が低い理由のひとつは政府が提供する公的医療制度がないからです。

香港の医療機関
香港の医療機関は、大きく、公立病院、私立病院に分かれます。
公立病院
香港人や香港IDを持つ外国人は香港の公立病院で格安で日本と同等水準の治療を受けることができます。
安さがメリットですが、デメリットは相当な待ち時間を覚悟しなければいけないことです。
料金は定められており、病院管理局のホームページの料金表で調べることができます。
・初診一般外来 50香港ドル(約700円)
・入院1日 100香港ドル(約1400円)
明朗会計で分かりやすいと思います。
但し、もし、日本から旅行などで香港に来て、怪我して公立病院に行く場合、香港IDがない外国人は別の値段の高額な料金になります。
私立病院
一方、私立病院は日本語のクリニックも含め、ピンからキリまで分かれます。
・初診一般外来 300~800香港ドル(約4,100~11,000円)
一般外来にしては結構高いですよね。
香港で怪我や病気などすると公立病院や私立病院、その時の病状などにより使い分けてる人達が多いです。
私立病院で治療を受ける場合高額になる為、風邪やケガなどは医療保険、三大疾病など重い病気は重病保険、自分のニーズに合わせて加入しています。
尚、医療保険は会社によっては、会社の福利厚生で医療保険に入れるところもありますが、配偶者や家族は含まれない場合があります。
また、会社の福利厚生の医療保険に加入義務はなく、自分で選ぶこともできます。
日本の医療保険との違い
日本だと健康保険制度、高度療養費制度、という優れた制度がありますね。
高度療養費制度は家計の所得レベルに応じて、病院でかかった治療費に対して自己負担上限額が決められています。
この制度がある為に、日本の民間医療保険は不要とよく言われています。保険見直しで真っ先に切るのは民間医療保険ですよね。
日本の高度療養費制度は、治療にかかった費用を軽減してくれるものです。
但し、個室ベッド代、食費、交通費、家族の生活費、入院している間の収入所得、先進治療、などは含まれずカバーされません。
日本にいた時、私自身、身内が手術を受けたことがあります。
約90万の治療費が実際に支払ったのは約8万円でした。
国がこれだけ負担してくれるのは大変ありがたい制度です。
それに対し、重病保険、というのはある病気と診断されたら一括で受取ることができます。
受取ったお金は治療費に限らず、どんな用途にでも使えます、食費、交通費、生活費、家賃、家族の生活費など、治療や闘病生活にかかるありとあらゆる費用に当てることができます。
重病保険の保障内容
香港保険会社のだいたいどのタイプの重病保険も三大疾病を含む120~130種ぐらいの病気をカバーしています。
重病になる前の、初期段階の病状に対しても保障があります。
病気やタイプにより、初期保障額に対し病気の種類により規定の割合の保障額が貰える仕組みになっています。
保険会社のプランよっては、何回でも無制限に請求可能、再発のガンも保障、されていたり包括的にカバーされています。
例:サンライフ社の重病保険
・プラン1 ※保障が一番少ないプラン
初期保障額に対し最大225%
例:初期保障額 200,000米ドル
つまり、最大、450,000米ドル、を受け取ることができます。
・プラン3 ※保障が一番多いプラン
例:初期保障額 200,000米ドル
初期保障額に対し 最大1325%
つまり、最大、2,650,000米ドル、を受け取ることができます。
こうして見ると、かなり手厚い保障を受けれることが分かりますね。
上記はあくまでこのプランの最大の割合の場合で、病気の種類や条件により規定の割合が違います。
掛け捨てにならない
日本の医療保険は悲しいことに、病気にかからなかったら掛け捨てになってしまいます。
だから、家計や保険見直しの特によく解約の対象になりますよね。
香港重病保険は貯蓄性も備えているので、病気にならず請求しない場合、途中でお金を引き出したり、解約してお金を貰うことが可能です。
尚、保険なので若い時に加入するほうが安い保険料で加入することできます。
10歳と60歳の人だと病気や死亡のリスクが高いのはどちらかお分かりですよね。
もちろん、高齢のほうが死亡・病気リスクがあがるので、保険料が高くなりますよね。
万が一の保障も付いている
保険なので万が一の保障もしっかり付いており、保険金が受益者に支払われます。
ちなみに、上記の例で示した、サンライフ社は日本在住の方でも唯一加入可能な重病保険です。
香港の他の保険会社ではFTLife、マニュライフ、などの重病保険が人気が高いようです。
こういうニーズがある人に役立つ

どんなに優秀な商品でも、個人のニーズによって合う合わないの相性があると思います。
以下のようなニーズや心配をお持ちの人にはとても相性がいいと思います。
・将来自分が病気になったときが心配
・自分が病気になった時も家族を支えたい
・安心できる病院でいい治療を受けたい
・子供にいい保険を買ってあげたい
私の周囲では家族持ちの世帯は契約していることが多いです。
日本に住んでいる人は、日本の医療制度があるので重病保険のニーズは薄いかもしれませんが、更に充実した高い保障を一括で貰いたい、という人はいいかもしれません。
さいごにまとめ
日本は発達した医療制度があり、国民の税金からまかなわれてています。
こうしてみると、日本の充実した医療制度のありがたみを感じるのではないでしょうか。
私自身日本に住んでいた時は日本の医療制度は当たり前と信じており、深く考えたこともありませんでした。
海外に行くと国が保障してくれない場所もあり、その代わり、充実した保険商品があり、自分で勉強して選び、「自分の身は自分で守らないといけない」、ということを学びました。
以上、今回は重病保険、成り立ちの背景、日本の医療制度との根本的な違い、等に関しお話しました。
最後までお読みいただき有難うございます。
本ブログに関する、ご質問やご相談は、こちらからお願い致します。
コメント