こんにちは!
香港の橘拓也(たちばな たくや@TMax2525)です。
今回は私の過去のハンサード社(Hansard)のアスパイア(Aspire)という長期積立オフショア投資の失敗、敗因の分析、学んだことを共有したいと思います。
投資を始めたての頃の失敗はつきものです。誰しも経験することだと思います。失敗は恥ずかしいものではありません。大切なのは失敗から何を学んだかということが重要です。
上手くいかなかった原因を分析、次回成功できるように改善すればきっと道は開けます!
はじめに
私が20代後半、投資といえるものは、国内株式やFXなど情報が多く入ってくる身近なものだけをしていました。
オフショア投資や海外投資など無縁の時でした。
あるとき「いつかはゆかし」の広告を見ました。とある有名芸能人を用いた広告ポスターです。ご覧になったことのある方も多いと思います。
25年投資したら将来のお金が1億円になる。
これが広告の売り文句でした。
そんな投資が本当にあるのだろうか、なんて夢のある話だろう、と愚直に興味を持ってしまったものです。
無知で金融リテラシーがなかった、ことは致命的です。
とりあえず話を聞いてみる
海外投資、というとなんとなく不安もありつつ海外での投資とはどんなものか興味がありました。一度、話を聞いてみたいので、まずは資料の取り寄せををしました。
資料を取り寄せた数日後、その会社の担当者からメールで面談希望の連絡が来ました。とりあえず話をきいてみたかったので、電話で話を聞いてみることにして日程を伝えました。
事前に届いていた資料やDVDを見て欲しいとのことでしたので、見ておきました。
内容の趣旨はとにかく、毎月5万円積み立てたら将来資産が1億円になる、という内容。
商品に関する、重要な説明がありませんでした。
保険会社名
商品名
設計書の提示
運用手数料
損益分岐点
元本保証
解約返戻金
解約手数料
運用方針
主な説明内容は、商品はファンド運用商品でドル平均コスト法で資産が増える、ということでした。
毎月投資するファンド型商品なので、同じ金額を投資し続け、安くなったときに口数が多く買えるので、その分、将来、値上がりした時に、利益が増える。
これは今や金融機関や業者などの販売側がファンド積立商品を紹介する時や、パフォーマンスが下落した時の説明に使われる常套句、になっていると思います。
ドル平均コスト法は、数十年の長期スパンの投資ではメリットを発揮する可能性がありますが、期間が短ければ短いほど値下がりの際に影響を受けやすいデメリットがあります。
25年積み立て契約を申し込む
将来どうなるかの話のみで、商品の仕組みや手数料は説明がありませんでした。また、それを疑い、聞く術もありませんでした。
周囲に相談できる仲間がいない、金融リテラシーがない。
当時あまりにも情報弱者の無知な私でした。
将来の老後や年金にいいと思い、思い切って契約することに決めました。
25年の積み立て契約を申し込み、積み立てを始めました。


金融庁の指導~担当者の退職と交代
積立てを始めて半年ほどたったところ、オンラインニュースのヘッドラインを見て驚きました。
積立てを申し込んだ会社が金融庁から指導を受け、業務停止になったとのこと。
どうしていいか、とても不安になるだけで、相談できる仲間がいませんでした。
手続きをしてくれた担当者は退職するとの連絡がメールで届き、別の担当者の紹介を受けました。
運用のパフォーマンス
積み立て開始数年で一度もプラスになったことはありませんでした。
商品設計上25年以上積み立てれば運用益が出る可能性のある商品ですが、他に効率的な魅力ある商品があることに気づきました。
5年目で解約を決意しました。
尚、あとになって他社商品の設計書を取り寄せてみて研究しましたが、
毎月5万円、年利9%のリターンの想定で25年間続けても、1億円にはなりません!
香港F社の類似商品、想定利率年9%の成長率でも、約4千万円。
ケイマン籍のI社の類似商品、想定利率年9%の成長率でも、5千200万円。
これら設計書は、商品の積み立てボーナスなどすべて含めての数字です。
しかも、あくまで設計書なので、ファンドの運用次第ではリターンがマイナス。解約や満期の時に元本割れということもありえます。
5万円を25年間積み立てて1億円などどいう数字は、保険積立商品ではありえない数字です。
設計書すら出さなかった紹介会社の販売方法に大きな問題がありました。
ハンサードの解約は手間がかかる
ハンサードはオンラインアカウントがあります。解約書類は英文書類ですが、そんなに複雑なものではありません。
自分でダウンロードしたり、ハンサードのカスタマーサービスと直接手続きしてみることにしました。
ハンサードのカスタマーサービスは必要書類や記入例を送ってくれたので、書類の記入そのものは大した作業ではありませんでした。
一番手間だったのが、英文住所証明、を要求されたことでした。
ハンサードのカスタマーサービスに日本の住所証明は、運転免許証、住民票、公共料金、などすべて日本語で英語のものは存在しない、と説明しましたが、英文のものが必要の一点張りで一行に話が進展しませんでした。
日本で公的書類の英訳されたものを提出するには、公証役場で認証をうけたり、兎に角、今までしたことのないことを調べて作業しなければなりません。時間とコストもかかります。
そうこうしているうちに、香港への移住が決まり、日本にいる時に解約ができませんでした。
あとから、ハンサードを契約し解約したことのある知り合いから聞いたところによると、日本の紹介会社の認証サインで手続きをしてくれて解約できたようです。申請から解約したお金が日本の銀行口座に着金するのに要した期間は約2ヵ月だそうです。
なお、解約の時、保険証券の原本の返却は必ず必要です。解約の時に必ず必要なのでそれまで大切に保管しておきましょう。
私の場合は、香港に来てから解約することができました。
香港の住所証明は、公共料金、政府や銀行からの郵便物、などすべて英語で揃うので解約手続きがむしろ簡単に解約申込ができました。申請書類、証明書類、保険証券原本、などまとめて日本の紹介会社側に郵送し、手続きをしてもらいました。
私のほうは、解約の手続きを申し込んでから約1か月で解約したお金が香港の銀行に無事着金しました。
ハンサード アスパイアの商品の性質
アスパイア(Aspire)、という商品はファンド投資型、元本保証なし、ハイリスクハイリターンの商品です。商品の特徴を最大限に生かすには、長期積立、ドル平均コスト法、が有効とされています。
この種の投資商品は、ファンド運用手数料、プラン手数料など、いろいろな手数料がかかっている商品です。投資家が元手を取るには長期で保有しなければなりません。
このタイプの投資商品に向いている人は、以下のような人だと思います。
・ハイリスクハイリターンのリスクを受け止めることができる人
・25年という長期間にわたり資金を供出できる資金力がある人
・毎月の運用パフォーマンスに一喜一憂しない人
市場に連動したファンド運用なので、市場経済が悪化すれば、一気に価値は値下がりします。投資目標とニーズにそれが自分にあっているかよく知る必要があります。
25年積み立てという長期間、定期的に資金を供出できるか、投資計画をよく練る必要があります。
人生設計において、結婚、出産、学費、倒産、解雇、無職、借金、などライフステージにおいて資金が必要な場面があります。
30代の平均年収のサラリーマンが安易に投資できるような商品ではないと思います。
ちなみに、このタイプの商品を2本契約している知り合いがいますが、その人は経営者で十分な資金力のある人です。25年間寝かして放置する方針で毎月のパフォーマンスについてはノーチェックだそうです。
このタイプの投資商品は、他の類似商品でコストが低めの魅力的な商品はあります。
類似商品でも、保険会社によって、組めるファンドとそうでないファンドがあるので、いいファンドを組める商品のほうがよいでしょう。
アスパイア(Aspire)については、商品そのものとしての魅力がない、というのが私の意見です。
ちなみに、現在、日本や香港でも販売を扱っている業者はないようです。
失敗の原因
・相談できる仲間がいなかった。
・情報を判断する知識と経験がなかった。
・類似商品の比較をしなかった。
・業者の販売方法に問題があった。
・商品そのものに問題があった。
・投資計画の判断に問題があった。
今となってみたら投資を決断する前にチェックするべき内容がすべて欠けてました。
投資商品がいいかどうか判断するには知識と経験が必要ですが、それを聞く人が周囲にいないことも致命的です。
投資に詳しい信頼できる親戚や友達がいれば頼るのもいいでしょう。
インターネットで知り合うFPや業者には、いい人も悪い人もいるので付き合いには注意が必要です。
最後に
どのような投資でも長期で生き残っていくため秘訣は、常に学び続け、情報収集を行い、自分自身で判断できる知識と経験を養うことが必要です。
ネット情報のみに頼らず、鵜呑みにせず、情報発信者とメールして話をしてみる、海外に実際に赴いてみる、比較をしてみる、など自分から行動することが必要です。
受け身のままだと、まさにカモの状態で、いいようにお金ばかりとられてしまいます。
私も大きな失敗をして損失を出してしまいましたが、今ではいい教訓をたくさん学べた高いレッスン代だと思っています。
投資環境や商品は変化、進化していますから、引き続き、謙虚に学び続けていきたいと思います。
本ブログに関する、ご質問やご相談は、こちらからお願い致します。
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